背景
産業用の油圧機器では、流量制御や機器保護、負荷変動への素早い応答のために、正確でリアルタイムな圧力情報が欠かせません。ところが、最も重要となる圧力は、専用のセンサーを取り付けることが現実的でない場所、たとえばコストがかかりすぎる、機械的に難しい、あるいは運転中の信頼性が確保しにくい場所にあるケースが少なくありません。従来の代替策にもそれぞれ限界があります。物理センサーを追加すれば、コスト増に加えて機械的故障の起点が一つ増えてしまいます。一方、物理モデルベースのアプローチは、オイル温度・粘度・負荷条件の変化に伴って運転領域全体で精度を保つことが難しくなります。
アプローチ
弊社では、機器にすでに搭載されているセンサー信号をもとに、目的の圧力を推定するエッジAIモデルを開発しました。本モデルは、時系列信号やエッジ実装と相性のよい、軽量な機械学習手法 (リザバーコンピューティング) をベースにしています。装置の既存コントローラ上で動作し、追加のハードウェアも、専用のランタイムも、クラウド接続も必要ありません。お客様の機器仕様や運転条件に合わせた最終形へのチューニングは、お客様のエンジニアリングチームと協働しながら進めます。
結果
本モデルは、過渡状態を含む運転領域全体において、実測圧力をよく再現します。お客様の制御ループの圧力入力として使用するのに十分な精度を、既存のエッジコントローラ上だけで実現できます。
御社の機器でも応用できるかもしれません
圧力センサーを取り付けたいけれど、コスト・信頼性・機械的なアクセス性の都合で避けたい。そのような機械を製造または運用されているお客様で、既存のマイコンに余剰演算リソースが多少あれば、本アプローチがフィットするか検討する価値があるかもしれません。御社のケースで成り立つかどうかは、短いお打ち合わせ1回でおおよそ判断可能です。なお、具体的な実装の技術的詳細については、お客様と個別にご相談しながら進めます。