背景
製品品質を予測するソフトセンサーは、プロセス産業において長年取り組まれてきた研究テーマです。粘度・分子量・濃度・不純物含有量といった品質変数は、生産中にリアルタイムで測定することが極めて難しいことで知られています。ラボ分析の結果が返ってくるまでに数時間が経過しているケースが多く、その間に発生した規格外品は事実上の損失となってしまいます。同一ラインで多くの特殊グレードを生産しているプラントでは、この課題はさらに深刻になります。各グレードのデータが限られているうえ、グレード切替の直後はプロセスが安定するまでの期間に規格外品の発生が集中する傾向があります。グレードごとに専用のモデルを構築するのは、現実的とは言えません。
アプローチ
弊社では、プラントですでに取得されているプロセス計測値をもとに、目的の品質変数をリアルタイムに推定するエッジAIソフトセンサーを開発しました。本モデルは、時系列信号やエッジ実装と相性のよい、軽量な機械学習手法 (リザバーコンピューティング) をベースにしています。多品種生産の現場が抱える現実、たとえばグレードごとのデータの少なさ、頻繁なグレード切替、高次元のプロセス入力などに対応できるように設計しています。お客様のプラントの仕様、製品ラインナップ、運転条件に合わせた最終形へのチューニングは、お客様のエンジニアリングチームと協働しながら進めます。
結果
本ソフトセンサーは、品質変数のリアルタイム推定値を提供します。これにより、プラントチームはラボ分析の結果を待たずに、製品品質の逸脱を早期に検出できます。結果として、規格外品の発生量を抑え、グレード切替時の対応時間を短縮することができます。
御社の操業でも応用できるかもしれません
多品種を生産されている化学プラントや素材プラントで、ラボ分析の遅延が規格外品の発生を引き起こしている、あるいは新グレード立ち上げ時に品質が安定するまでの期間が長くなりがち、というご状況のお客様にとって、本アプローチは検討する価値があるかもしれません。御社のケースで成り立つかどうかは、短いお打ち合わせ1回でおおよそ判断可能です。なお、具体的な実装の技術的詳細については、お客様と個別にご相談しながら進めます。