背景
回転機械の劣化は、運転データに徐々に現れます。難しいのは、その変化を「あと何サイクル使用できるか」という数値に変換する部分です。
判断を誤れば、いずれの方向にも損失が生じます。早すぎれば、余寿命を残したまま設備を工場へ送ることになります。遅すぎれば、計画外の停止と、それに伴う工程の組み替えが発生します。
この用途に用いられる手法には、それぞれ得失があります。統計的な手法は軽量で解釈しやすい一方、複数のセンサーにまたがる非線形な劣化の進行を扱うには、相応の設計と調整を要します。深層学習は精度を確保できる一方で、学習に要する計算資源と、現場での実行環境が課題となります。
検証した内容
入力は、運転中に取得されているセンサーデータのみです。計測器の追加は要しません。
モデルは、故障までの残りサイクル数を推定します。時系列データに適した軽量な機械学習手法 (リザバーコンピューティング) を基盤としています。
検証には、複数のエンジンを故障に至るまで運転した公開ベンチマークを使用しました。エンジンのシミュレーションから生成されたデータであり、劣化予測分野における標準的な評価用データです。評価は、学習に用いていないエンジンに対して実施しました。
確認できたこと
学習に用いていないエンジンについても、故障までの残りサイクル数を推定できました。劣化の進行に伴い、推定値は実際の残存寿命に収束します。
貴社の設備でも応用できるかもしれません
同一型式の設備を複数運用され、故障または分解整備に至った履歴を保有されているのであれば、同様の考え方を適用できる可能性があります。
工場入場時期の平準化、予備品手配の前倒し、余寿命のある設備の整備延期。こうした計画業務の裏づけとしてご活用いただけます。
貴社の運転データがそのまま使用できる形式かどうかは、短いお打ち合わせ一回でおおよそ判断できます。